代替医療の定義はあいまいで、標準治療以外の民間療法、と一般的にはされています。
統計処理に則って効果があることが論文ベースで確認されていることを多くの場合はエビデンスと呼び、EVM(Evidence Based Medicine)の推奨が一昔前では日本の医療や医療教育では少なくとも多数派でスタンダードで、それらのことを標準治療とさすのが一般的な理解ということでよいと思います。
ところで、標準医療の方法の多くは西洋医学(壊れた部分を修理すれば全体も治るという考え方がベース)で医薬品、手術、放射線治療などの方法によるものをさしています。日本で言うと保険診療の適用の範囲というざっくりした理解になります。
逆説的なお話なのですが、この標準医療が進んだ国ほど、多くの代替療法の選択肢が取れます。
標準医療を作った国アメリカでは、東洋医学、ハーバルやアロマなどの代替医療が日本よりももしかしたら選択肢として自由にとれるかもしれないと思うほど、日常的な医療の場面で遭遇します。私個人的にも初めて鍼灸治療を目の当たりにしたのはアメリカナンバーワンの大学病院でした。
日本も医療で言うと、先進国と同じような速度で進歩を続けてきた国なのと、アジアの国なので伝統療法への理解が得やすいなどの背景もあり、標準医療を補完する形で代替医療の普及も同様に幅広く進んでいて、学会も無数に存在していて、標準治療の先に広がる代替医療の場面もあり、先端医療という呼称イコール標準医療とするのは何か語弊がある感じも否めません。
代替医療(民間療法)というとまるで医療ではなくまじないや祈祷の類といったアンチが必ずいるものなのですが、ドイツのホモトキシコロジー、中国の漢方医療、鍼灸医療、ヨーロッパのハーバルメディスンやアロマセラピー、それらすべてがそれでは標準治療ではないのかといえば、国によって解釈は違い、ヨーロッパではハーバルメディスンに保険が適用されています。
つまるところ多くの国で言われる標準治療とは単に高度医療ビジネスシステムでお金になる医療だけをさす限定的な単語でしかなかったのではないかと長く長く医療の片隅にいて、またコロナで医療ビジネスとは何かを目の当たりにしてようやく私個人は腑に落ちた感じがいたします。特に今回のコロナでは、安価な特効薬に多くのアンチ偽論文が登場したり、医療システムそのものへの信ぴょう性が揺れ、医療従事者以外にも医療とは、を考えさせるきっかけになったように思います。
日本の標準医療のレベルはとても高いです。
と同時に代替療法のレベルも世界トップクラスに高いです。
タイに4年いて、タイの医療に足りないところは大体わかったし、海外企業が標準医療で参入することができない理由もわかりました。
SOMAでは、どちらも良いところが取れる真のメディケアを提供すること、標準治療が場面によっては逆に寿命を縮める悪手にもなるのだということ、どちらが優れているという優劣ではなく、場面によって適切な選択肢を知ることが大事であるという啓蒙をゆるやかに続けていければと思っており、今後はこれまでタイで得た知見を基に業態を少し変更して継続していく予定にしています。